本学福島復興創世研究所主催のオンライン国際セミナー「米国ハンフォードの知見に学ぶ福島浜通りの復興創生―『大西・トリプレット レポート』を踏まえて―」は1月23日(土)午前9時30分~午前12時30分、本学の1号館201教室とオンラインの同時配信によって開催されました。
当日、会場にて約40名、オンラインでは約80名の計120の方にセミナーをご聴講いただきました。
開催にあたり、会場での感染症対策として、ご来場の皆様には席と席の間隔を開けてご着席いただき、検温及び手指消毒、換気も徹底しました。
本セミナーでは、2020年1月に開催した国際シンポジウムの議論をより発展させるため、福島復興創世研究所の大西 康夫所長とマーク・トリプレット氏(国立パシフィックノースウェスト研究所シニアアドバイザー)が、2020年11月に取りまとめたレポート「ハンフォードとトライシティ開発評議会(トライデック)―私達はどの様に地元経済を発展させたのか?―」を踏まえて、ハンフォード地域及び福島浜通り地域の関係者がオンラインで意見交換しました。
シンポジウムの全体司会は福島復興創世研究所の福迫 昌之副所長(東日本国際大学副学長)が務めました。
開会式においては、東日本国際大学 吉村 作治学長が主催者を代表してご挨拶を致しました。
次に、来賓の吉野 正芳衆議院議員(元復興大臣)、若松 謙維参議院議員(元復興副大臣)よりご挨拶を賜りました。
開会のご挨拶はいずれも、新型コロナウイルス感染症の対策により、それぞれ別会場からリモートでのご挨拶となりました。
引き続き、本セミナーのメインテーマである「大西・トリプレット レポート」について、大西 康夫所長が講演を致しました。ハンフォード地域の経済発展をモデルとし、福島浜通りの経済復興活動の支援がより効果的になるようまとめた報告書について、より詳細に解説しました。
続いて、福島復興創世研究所の石崎 芳行客員教授(副所長)より、「福島浜通りトライデック」についての講演があり、福島原発事故により避難地域となった浜通り市町村における現状と街に賑わいを取り戻す取り組みを報告しながら、福島浜通りトライデックの必要性などについて説明を致しました。
そして、セミナー最後のプログラムである「意見交換」の部の冒頭においては、福島県福島イノベーション・コースト構想推進課 郡司 博道課長より「福島イノベーション・コースト構想」についてのご講演がありました。
その後、オンラインでの福島浜通りとハンフォード側の意見交換として、「①福島浜通り地域の経済発展戦略」「②1F廃炉事業の地域経済への貢献」「③若い世代を対象とした教育・文化プログラム」の3つのテーマについて活発に意見が交わされました。
福島浜通りとハンフォード側からそれぞれ、以下の方々にご登壇いただきました。
コーディネーター:中村 隆行(福島復興創世研究所 所長代行、東日本国際大学 副学長)
マーク・トリプレット(国立パシフィックノースウェスト研究所シニアアドバイザー)
【福島浜通り】
〇 福迫 昌之(福島復興創世研究所 副所長、東日本国際大学 副学長)
〇 石崎 芳行副所長(福島復興創世研究所 客員教授・副所長)
〇 内田 広之氏(前福島大学理事・事務局長)
【ハンフォード】※オンラインでのご登壇
〇 デイビッド・リープロエグ (トライデック 副所長、ハンフォードコミュニティ 局長)
〇 トーマス・マイル (トライシティ研究地区 局長)
〇 ミカエル・リー (コロンビアベイスン短期大学 副学長)
〇 キャサリン・マカティアー (ワシントン州立大学トライシティーズ校 副学長)
〇 ロイド・ケイス (コロンビアベイスン短期大学 核技術プログラム主査)
〇 チャック・トレリ (ケネウィック郡 評議員)
〇 ブレント・ゲリー (西リッチランド市長)
〇 キャメロン・サロニー (米国エネルギー省)※オブザーバー
(敬称略)
セミナーの最後には、閉会挨拶として学校法人昌平黌 緑川浩司理事長がご挨拶を致しました。「福島浜通りトライデック」が設立されるきっかけとなったエピソードを交えながら、米国ハンフォードと共に福島復興をより一層促進させていく熱い意気込みと、皆様への感謝の意が伝えられ、セミナーは盛況のうちに閉会いたしました。
*「トライデック」は米国ハンフォード地域に実利をもたらす地元の民間調整機関。ハンフォード経済発展の先導役を果たしている。「福島浜通りトライデック」はハンフォードの成功例、知見を参考に今年3月6日に設立会を予定している。